更年期からの女性のヘルスケア更年期外来)

阪部 更年期

 日本人女性の平均寿命は87歳を超え、未曾有の高齢化に直面しています。その結果、閉経後女性ホルモンが欠乏した状態が約35年にもわたって持続し、そのうち自立して生活できない介護が必要とされる期間が平均して12年あまりに及ぶ時代となりました。

 女性ホルモンはアンチエイジングの作用があり、その作用は皮膚など目に見えるところだけでなく、血管保護、骨密度の維持にも働いています。更年期以降の女性ホルモンの欠乏は、更年期障害(ほてり、発汗、めまい、抑うつ、不眠、性交痛など)の原因となるだけでなく、骨粗鬆症や動脈硬化ひいては介護の原因となる脳血管疾患・骨折・認知症とも関連する可能性が示唆されています。

 そこで、老後にできるだけ介護を必要とせず、自立して生活するために、閉経期、更には思春期からそれに備える時代になりました。

 現在、更年期や閉経が早い方に行うホルモン補充療法は、そのアンチエイジング作用が着目され、疾患予防としても広く行なわれています。「健康寿命」を伸ばすために、女性が自ら選べる選択肢の一つとなっています。

 現在治療に使用される女性ホルモン製剤は、低容量化,天然型女性ホルモンの開発,投与法の工夫等で、より安全に使用できるようになり、個の患者さんの症状や生活に合わせた治療選択が可能になっています。女性にはうれしい皮膚の老化を抑制するという効能もあります

開始年齢(閉経早期に治療開始時期が限定されています。)・期間・適応がありますので、興味のある方はぜひご相談ください。