思春期外来(女性として賢く生きるために)

阪部 思春期

 

 思春期は将来「ママ」になれるように体をつくる大事な時期です。近年、「健康は育てるもの」、「妊娠できるように思春期からの健康づくりが必要である」という考え方になってきています。思春期の適切な年齢に月経がはじまり、その後、規則的な月経がくるようになることは非常に大切で、一生その恩恵を受けることになります。女性ホルモンが思春期の体作りに非常に大きな役割を果たすからです。女性ホルモンは子宮だけでなく乳房・骨・血管・皮膚・脳など全身に作用します。その作用の中には骨密度の増加など成長期である思春期限定のものもあるんですよ。このように、思春期において女性ホルモンの役割は大きいのです。月経は女性ホルモンによって起こり、その分泌状態を反映しています。月経は女性の生殖機能の健康のバロメーターとも言えるでしょう。女性ホルモンの分泌の不具合により様々な症状が引き起こされます。月経不順、月経が来ない、月経痛、月経が長引く、量が多い、月経周辺の頭痛・イライラ・吐き気・にきび等の症状はありませんか?ダイエット等によるやせすぎが女性ホルモン分泌を低下させ、女性としての成長や骨の強さ、妊娠や赤ちゃんの体質にまでその影響が及ぶ可能性があることも知っておいてください。

 

 特に思春期では、月経痛のため月経のたびに学校の保健室を利用したり、遅刻・早退だけでなく学校を休んで学業に支障が出る場合があります。月経痛をコントロールすることは可能です。また、月経痛は子宮内膜症など婦人科疾患の症状としてみられる場合があります。一度ご相談ください。

 

 さて、女性ホルモンをうまく活用すると月経を軽くしたり、旅行や試験に重ならないよう月経をずらしたりできることをご存知ですか?月経を負担に思う必要はありません。また、特に若年層に注意が必要な感染症があります。不妊症の原因となりうるクラミジア、子宮頸癌の原因となりうるHPV等です。子宮頸癌は進行すると子宮摘出が必要になり妊娠できなくなります。いずれも若年層の感染率が高く無症状が殆ど。

 月経の大切さを見直し、このような知識を踏まえて人生を謳歌してください。

 

 当科では、診察の仕方についてはご本人と相談して行っております。必要に応じて診察方法を相談し選択させていただいております。心配せずご来院ください。